レベッカのお買い物日記

読了。
とにかくこのレベッカという女はクズだし結末は最悪だってことさ。
買い物依存症が云々というわけではない。
そのための行動、、、例えば請求書を通勤途中に”捨てて”しまい、さらに催促された場合に自分は見ていない、と強弁できると言い聞かせたりするような行動を咎めたいわけでもない。
それらは病気なのだから。
そういった箇所を抜いた上で、透けて届いてくる一人称小説で書かれるレベッカの内面にある子供のような駄々と自惚れと嫉妬がいかに醜いかということに気付くべきなんだ。
OK、確かに誰しもそんなところはあるかもしれない。
OKOK、わかってる、自分にもそんなところはある。
でも言わせてくれ──ここまで邪悪ではないんだ、と。
たとえば空き缶を路上にとめてある自転車のカゴに捨てて、制裁をしてやった! こんな所に置いておく奴が悪いんだ、私は悪くない! なんて類の言いわけはしないんだ。
ジョジョ第六部でプッチ神父が真の邪悪をこう言い表している。
「誰にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、誰カガイツカ自分を助けてクレルト望ンデイル」
ってのは、まさにこのレベッカのためにある言葉だ。
そういう主人公が、社会正義のためでもなく、日々の積み重ねの結果でもなく、ただ自分の愚かさからお隣の夫婦にかけた迷惑を恥かしいと思う心から出た、ある種の”逆恨み”(決して、夫婦への罪滅ぼしとか謝罪でない点に注意)から書いた記事が話題になり物事が好転する。
そして借金は返済、業界への顔つなぎもでき、金持ちの男もゲットって、そんな女をどうして僕が誉めなくちゃいけないんだ。


で、ヒロインの魅力は最低ですが、お買い物シーンや買いすぎてしまった事への言い訳、なんかは結構面白かったりします。