地獄の黙G録

 おれはいい気になっていた。
 アニメ夜話あしたのジョーをやっていたので、おもしろおかしく観ていた。
 気が緩んでいたのだ。


 そして──バイオテロ、ふたたび。
 今回の被害=廃棄処分品
 フェリーニのバッグ、ディオールの香水(バッグの中にはいってた)、机の引出しにはいってた数々の道具。
 十年来愛読していた小説よ、さらば。


 二夜連続のそれは、精神にかなりの負荷を与えた。
 パニック寸前になり、被害妄想が拡大していく。
 敵をしとめた後、部屋全体を毒霧でみたした。
 PCやDVDレコにカバーもせず、恐怖心の命じるまま催涙弾を部屋に投げ込んだ。
 時間は午前3時を過ぎていた。
 部屋から漏れ出したGが、寝ているおれの足をかじりにくるという想像におびえた。


 今週末は、大量に物を廃棄することになるだろう。