サイコ日和

「es」
 ロールプレイ(役割をこなす)の大学実験中に加速する暴力。

 人間の社会・環境による影響を調査するために、大学は被験者を募集した。
 被験者は看守役と囚人役にわかれ、それぞれの役目を大過なく行うだけだった。
 だが我々はもっと知るべきだった。
 役割というものがどれだけ人間をかえてしまうか、を。
 最初はたんなるお遊びだった。
 だが看守役が、秩序を維持しようとし始めたときにそれは起った……。

 どうも実際におこった事件をベースにしているらしく、説得力はある。
 ナチスドイツのユダヤ人抹殺が平然と行われたのもむべなるかなと思わせられる。
 役割、というよりは権力か? 指導者といった立場はある種の人間を狂わせる何かがある。
 あるいは集団で共謀した場合にだけ発現するのだろうか。
 とにかく興味はつきない映画だったが、微妙に主役ぽい人間を配置してみたり、人間劇としては失敗な箇所もあり、最終的にあの主役級の新聞記者(?)や軍人は何がしたかったのか、まったく不明のまま終了しているのはいただけなかった。
 ほんとに何なんだよ。